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卸売を知っていこう!シリーズ第1章

第4節 卸売りの基礎 

「卸売ビジネスの基本用語集」

卸売業務をする中で使われている基本的な用語を紹介したいと思います。
用語は卸売業務と業務プロセスを基準に説明していきます。また、
これから紹介する用語は一般的に使われている用語ではありますが、
実際にどれくらい使うのかは経験が必要になると思いますので
ご参考にご確認ください。

目次

  • 市場調査
  • 仕入れ
  • 在庫管理
  • 販売
  • 物流
  • 財務管理

市場調査

市場セグメンテーション:卸売市場を特定の基準で分類し、ターゲットとなる顧客層を明確にする手法。

需要予測: 将来の商品需要を推定する手法。卸売業者が適切な在庫管理を行うために重要です。

トレンド分析: 市場動向や消費者嗜好の変化を分析すること。新商品の仕入れや販売戦略の立案に役立ちます。

競合分析: 他の卸売業者やメーカーの動向を調査し、自社の強みや弱みを把握すること。

販売データ分析: 過去の販売実績を分析し、商品ごとの売れ行きや季節変動などを把握すること。

仕入先評価: 仕入れ先の信頼性や品質を評価するプロセス。継続的な取引先選定に役立ちます。

    仕入れ

    サプライヤー: 商品を供給する業者のことで、メーカー、卸会社、問屋などを指します

    バイヤー: 商品を仕入れる小売店の仕入れ・買いつけ担当者を意味します。

    取引形態の種類:

    • B2B:企業間取引
    • B2C:企業と個人の取引
    • D2C:メーカーの直接販売

    仕入れ価格に関する重要用語

    上代(上代): メーカー希望小売価格(定価)のことです。

    下代(下代): 仕入価格または卸価格を指します。

    掛け率: 定価に対する仕入価格の割合。例えば、定価1,000円の商品で「6掛け」なら仕入価格は600円となります。

    在庫管理

    ABC分析:在庫品目を重要度に応じてA、B、Cにランク分けする手法。

    FIFO(先入先出法):最も古い在庫から順に出庫する方法。

    LIFO(後入先出法):最新の在庫から順に出庫する方法。

    安全在庫:予期せぬ需要増加や供給遅延に備えて保有する余剰在庫。

    オーダーポイント:再発注が必要となる在庫水準。

    棚卸:実際の在庫数を確認し、帳簿上の数字と照合する作業。

    在庫回転率:一定期間内に在庫がどれだけ販売されたかを示す指標。

    デッドストック:長期間動きのない滞留在庫。

    発注点:在庫が一定水準に達したときに発注を行うポイント。

    実地棚卸:実際に在庫を数えて確認する作業。

      販売

      販売戦略:自社の商品やサービスを「どのように販売していくか」を決定する計画。市場ニーズや競合分析を基に策定されます。

      ターゲット市場:特定の商品やサービスを販売する際に狙う顧客層。年齢、性別、地域などでセグメント化されます。

      プロモーション:商品やサービスを顧客にアピールするための活動。広告、キャンペーン、イベントなどが含まれます。

      価格設定:商品の販売価格を決定するプロセス。市場調査やコスト分析を基に行います。

      バンドル販売:複数の商品をセットで販売する手法。顧客にお得感を提供し、売上を増加させることが目的です。

      クロスセリング:顧客が購入した商品に関連する商品を提案し、追加購入を促す手法です。

      アップセリング:顧客が選んだ商品よりも高価格帯の製品への乗り換えを提案する手法です。

      リードタイム:注文から商品が顧客に届くまでの時間。短縮することで顧客満足度が向上します。

      受注管理:顧客からの注文を受け付け、処理するプロセス。効率的な管理が求められます。

      売上予測:将来の売上高を推定すること。過去のデータや市場動向を基に行います。

      マージン:売上高から原価を引いた利益額。利益率とも関連します。

      クレーム管理:顧客からの苦情や返品対応を行うプロセス。顧客満足度向上につながります。

      販売チャネル:商品が消費者に届く経路。オンラインショップ、実店舗、卸売業者などがあります。

      顧客ロイヤルティ:顧客が特定のブランドや企業に対して持つ忠誠心。リピート購入につながります。

      営業活動:商品やサービスを直接顧客に提案し、契約締結を目指す活動です。

      市場シェア:特定の市場内で自社が占める割合。他社との競争力を示す指標です。

      フィードバックループ:顧客からの意見や反応を収集し、それに基づいて戦略や製品改善につなげるプロセスです。

      契約書:取引条件や内容を明記した文書。双方の合意内容を確認するために必要です。

      競合分析:他社の商品やサービスと比較し、自社の強みや弱みを把握するための調査です。

      PDCAサイクル:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のサイクルで、戦略の効果を継続的に改善していく手法です。

        物流

        ロジスティクス:物品の流れを管理する全体的なプロセス。調達、保管、輸送などを含む。

        サプライチェーン:原材料の調達から製品の配送までの一連の流れ。サプライヤー、製造業者、卸売業者、小売業者が関与。

        デポ:集配を行うための物流拠点。限られたエリアでの配送を効率化する役割を果たします。

        デバンニング:コンテナから貨物を取り卸す作業。逆にコンテナに積むことを「バンニング」と呼ぶ。

        ピッキング:出荷指示に基づいて商品を倉庫から取り出す作業。効率的なピッキングが求められます。

        トレーサビリティ:商品の流通経路を追跡する能力。品質管理や不良品対応に役立ちます。

        リードタイム:発注から納品までにかかる時間。生産や輸送も含まれます。

        在庫回転率:一定期間内にどれだけ在庫が消費されたかを示す指標。在庫管理の効率性を測るために重要です。

        クロスドッキング:入荷した商品をそのまま出荷する手法。在庫保管コストを削減します。

        ユニットロード:複数の荷物を一つの単位(パレットやコンテナ)にまとめた状態で扱うこと。

        3PL(サードパーティロジスティクス):物流業務全般を外部企業に委託する形態。コスト削減と専門性向上が期待できます。

        フリーロケーション:在庫保管場所を固定せず、柔軟に管理する方法。効率的なスペース利用が可能です。

        輸送モード:貨物輸送の手段(陸上、海上、航空など)。それぞれの特性に応じて選択されます。

        共同配送:複数の企業が配送網を共有し、コスト削減を図る配送形態。

        過剰在庫:必要以上に保有している在庫。資金繰りや保管コストの問題につながります。

        輸送管理システム(TMS):輸送業務を最適化するためのソフトウェア。ルート計画や運行管理などが含まれます。

        倉庫管理システム(WMS):倉庫内の商品管理や出荷作業などを効率化するためのシステムです。

        カートン出し/カートン発送:カートン箱ごと発送する方法。開梱せずにそのまま出荷します。

          財務管理

          キャッシュフロー:事業活動による現金の流れを示す指標です。仕入れや販売による現金の出入りを把握することで、資金繰りの計画が立てられます。

          損益計算書:一定期間の収益と費用を表す財務諸表です。卸売業者は、この情報を基に利益を分析し、経営戦略を見直すことができます。

          貸借対照表:特定時点での資産、負債、純資産を示す財務諸表で、卸売業者の財務状況を把握するために必要です。

          自己資本比率:総資産に占める自己資本の割合で、企業の財務健全性を示す指標です。卸売業者が外部からの資金調達に依存していないかどうかを判断する材料になります。

          ROE(自己資本利益率):自己資本に対する当期純利益の割合で、卸売業者の収益性を示します。この指標が高いほど、効率的に資本を活用できていることになります

          流動比率:流動資産を流動負債で割った値で、短期的な支払能力を示します。卸売業者はこの比率を維持することで、日常的な運営が安定します。

          EBITDA:利払い前・税引き前・償却前利益で、企業の収益力を示す指標です。卸売業者はこの数値を用いて営業活動の効率性を評価します。

          運転資本:流動資産から流動負債を引いた額で、日々の事業運営に必要な資金です。在庫管理や仕入れ計画に影響します。

          財務レバレッジ:負債を活用して利益を増大させる効果で、卸売業者が成長戦略として利用することがあります。

          減価償却:固定資産の価値減少を費用として計上する会計処理で、税金対策にも利用されます。

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