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卸売を知っていこう!シリーズ第2章

第3節:卸売業界の仕組み
「卸売市場とは?その機能と役割」

目次

  • 卸売市場の概要と役割
  • 卸売市場の主要機能
  • 卸売市場がない場合の影響
  • 卸売市場の将来と課題


卸売市場の概要と役割

卸売市場は、日常生活に欠かせない生鮮食料品やその他の商品を全国や世界中から集荷し、消費者へ安定的に供給するための重要な流通拠点です。
日本国内には、中央市場64市場と地方市場1,081市場が存在し、各市場には卸売業者、仲卸業者、売買参加者などが日々取引を行っています。
卸売市場は、農業・水産業・食品業界の基盤として、地域経済にも大きな影響を与えています。

卸売市場の主要機能

> 集荷(荷揃え)、分荷機能

卸売市場は、全国各地から多種多様な生鮮品を集め、小売業者などのニーズに応じて迅速かつ効率的に分配する機能を持ちます。
大量の商品を集荷し、必要な品目や量に分荷することで、流通の効率を高めています。
また、商品の検査や選別も行われ、品質の高い商品が消費者に届けられることが保証されます。

> 価格形成機能

卸売市場では、せり売りや相対取引などの方法を通じて、需要と供給を反映した公正で透明性の高い価格を決定します。
これにより、市場での取引が公平かつ効率的に行われることが保証されます。
価格形成機能は、市場参加者全体の利益を最大化するために重要な役割を果たしています。

> 代金決済機能

卸売市場では、生鮮品の販売代金を迅速かつ確実に出荷者へ支払う機能があります。
特定のルールのもとで代金の決済が行われるため、取引の信頼性が高まります。
この機能により、出荷者は安心して商品を出荷でき、小売業者も商品の入手が容易になります。

> 情報受発信機能

市場では、需要と供給に関わる情報を収集し、生鮮品の出荷者や小売業者などへの伝達を行います。
市況、売買動向、売買予想等の情報が即日公表されることで、市場参加者全体の意思決定を支援しています。
また、季節的な需要変動や災害時の対応も迅速に行えるため、市場の安定性を維持する上で重要です。

卸売市場がない場合の影響

卸売市場が存在しない場合、出荷者は自ら全国の販売先を見つけ、商談を行い、商品を出荷し、販売代金の回収まで行う必要があります。
小売業者も全国の出荷者から必要な商品を確実に調達することが難しくなり、流通の効率が大幅に低下します。

 卸売市場の将来と課題

卸売市場は、重要な機能と存在意義を持つ一方で、IT活用の進展や流通効率化の面で課題があります。特に、他の業界と比較してIT活用が遅れているため、受発注業務のシステム化や情報のデジタル化が求められています。ただし、これらの課題を解決することで、卸売市場の役割と機能はさらに強化されることが期待されます.
卸売市場は、災害時にはライフラインとしても機能し、地域社会の安定に貢献しています。将来的には、市場内の衛生管理や食品の安全性確保も重要な課題として残りますが、着実に前進することで、国内の生鮮品流通システムの基盤としての役割を継続的に果たすことが期待されます。

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