2026年9月8日から11日まで、東京ビッグサイトで第17回 国際物流総合展 2026(Logis-Tech Tokyo 2026)が開催されました。東1〜3・7・8ホールと西1〜4ホールを使い、490件の出展登録があり、共同出展者を加えるとさらに多くの組織が参加しています。
食品・化粧品・医薬品を輸入し流通させる立場からすると、物流の動向は日々の業務条件そのものです。本展の出展内容は主催者が公表しており、そこから読み取れるものが少なくありません。本稿を第1回として、出展社と出展品目を分野ごとに見ていきます。
主催は7団体
この展示会の性格は、主催者の顔ぶれによく表れています。
- 日本産業機械工業会
- 日本産業車両協会
- 日本パレット協会
- 日本運搬車両機器協会
- 日本物流システム機器協会
- 日本ロジスティクスシステム協会
- 日本能率協会
設備メーカーの団体、車両の団体、パレットの団体、そしてロジスティクスの学術・実務団体が並びます。ハードウェアの展示会として始まり、そこに情報システムが後から重なってきた——出展構成を見ると、その経緯が読み取れます。
今回、ほぼ全カテゴリに共通していたもの
2026年4月、改正物流効率化法が全面施行されました。年間取扱貨物9万トン以上の荷主、保有車両150台以上の運送事業者、保管量70万トン以上の倉庫業者は「特定事業者」に指定され、物流統括管理者(CLO)の選任と中長期計画の作成・定期報告が義務づけられます。命令に違反した場合の罰則も定められています。
出展内容を通して読んで印象的だったのは、この制度への対応を訴求点に掲げる出展が、カテゴリを問わず現れていたことです。計測機器から配車システム、コンサルティングまで、訴求文が同じ方向を向いています。
「2024年問題」として語られてきた論点が、制度対応の段階に移っている。今回の出展構成はそれを示しています。
公式の区分では、中身が見えない
主催者による公式ゾーンは9つです。ただし出展社数の分布に大きな偏りがあります。
| 公式ゾーン | 出展数 |
|---|---|
| 搬送・仕分け・ピッキング | 109 |
| 物流業務支援 | 96 |
| 情報機器・ソフトウェア・AI | 92 |
| 産業車両・運搬車両・トラック | 46 |
| パレット・コンテナ・保管機器 | 45 |
| 物流拠点・施設開発 | 39 |
| 包装・梱包 | 27 |
| 3PL・コンサルティング・キャリア | 24 |
| 出版・団体 | 12 |
最大の「搬送・仕分け・ピッキング」には109件が入っています。この中に自動倉庫もAMRもソーターもコンベヤもバランサーも同居しているため、区分としては機能していません。「このゾーンを見れば分かる」という読み方ができないのです。
そこで、機能軸で読み直しました
各社が公表した出展内容を読み、何をする製品なのかという軸で分類し直しています。9つの大分類に整理しました。
| 分類 | 件数 | 内容 |
|---|---|---|
| A. 倉庫自動化設備・ロボット | 80 | 自動倉庫、AMR、無人フォークリフト、ソーター、パレタイジングロボット |
| B. 産業車両・運搬車両 | 45 | フォークリフト本体、バッテリー、台車・ハンドリフト、特装車 |
| C. ソフトウェア・IT | 81 | WMS、TMS・配車、SCM・貿易プラットフォーム、AI・OCR |
| D. 識別・センシング・計測 | 48 | RFID・バーコード、センサー・ビジョン、カメラ・AI映像 |
| E. 保管・物流資材 | 63 | パレット、コンテナ、ラック、包装・緩衝材、包装機械 |
| F. 施設・環境 | 58 | 物流不動産、倉庫建設、施設環境、安全設備 |
| G. サービス・事業者 | 86 | 3PL、港湾・空港・自治体、コンサルティング、人材 |
| H. コールドチェーン | 10 | 冷凍機、保冷容器、温度記録 |
| I. 部品・コンポーネント | 19 | 設備メーカーに納入する上流の供給者 |
さらに各分類を細分し、36の小分類にしています。本シリーズは、この小分類ごとに出展社と出展内容を見ていきます。
読むときの注意点が三つ
公表資料を扱ううえで、あらかじめ確認しておいたほうがよい点があります。
- 出展件数と法人数は一致しません。同一法人が2ブースに出展している例があるため、490件の登録に対して法人数はこれを下回ります。
- 主催者資料の「出展者区分」は申請時の自己申告です。実態と異なる記載が見受けられるため、本シリーズでは企業の国籍を断定しません。
- 公表内容は2026年8月時点のものです。最新の仕様は各社の公式サイトでご確認ください。
次回以降の予定
当社の事業と接点の深い分野から順に取り上げます。
- 包装・緩衝資材(19件)——脱プラスチック・紙への転換
- コールドチェーン・温度管理(10件)——医薬品・食品の輸入に直結
- パレット(12件)——標準化とレンタルプール
- 自動倉庫・シャトル(20件)
- AMR・AGV(16件)
- 物流不動産(22件)
本シリーズは、各社が主催者に提出・公表した出展内容と、各社公式サイトの公開情報に基づいて構成します。優劣の比較や評価は行いません。何が出展され、どの方向に技術が動いているかを整理することが目的です。