食品やサプリメントの輸入で、実務上いちばん納期に影響するのが食品等輸入届出です。通関そのものより、この届出と検査の段取りで日数が決まります。制度の骨格と、日数を縮めるために使える仕組みを整理します。
営業目的の輸入には届出義務がある
食品衛生法第27条により、食品・食品添加物・器具・容器包装・乳幼児向けおもちゃなどを営業目的で輸入する場合、輸入申告に先立って厚生労働大臣宛に食品等輸入届出書を提出しなければなりません。窓口は税関ではなく検疫所です。
手続きの流れは、おおむね次のとおりです。
- 原材料表・製造工程表・添加物の使用状況などの資料を集める
- 食品衛生法に適合しているかを確認する
- 届出書を作成する
- 検疫所へ提出する
- 審査を受け、必要に応じて検査を受ける
止まるのはたいてい「1」の資料集め
実務で滞るのは、届出書の記入ではなく資料の入手です。海外の製造元から原材料の内訳や添加物の使用量を正確に出してもらう必要がありますが、輸出慣れしていない工場だと、この時点で数週間かかることがあります。
日本で使用が認められていない添加物が含まれていれば、その時点で輸入できません。船を手配する前に成分を確認するのは、そのためです。
日数を縮める二つの制度
事前届出制度
すべての食品等について、貨物の到着予定日の7日前から届出書を受け付ける仕組みがあります。検査が必要なものを除き、貨物の到着前または搬入後すみやかに届出済証が交付されます。到着を待ってから動き出すのに比べ、保管期間を短縮できます。
計画輸入制度
特定の食品等を繰り返し輸入する場合、初回に輸入計画を提出して審査を通れば、一定期間は都度の届出を省略できます。同じ商品を継続して仕入れるのであれば、早い段階で計画輸入に切り替えるほど効いてきます。
食品衛生法だけではない
食品の輸入に関わる法令は一つではありません。品目によって次の法律が重なります。
- 食品衛生法(厚生労働省)— 衛生上の安全
- 植物防疫法(農林水産省)— 植物やその加工品
- 家畜伝染病予防法(農林水産省)— 畜産物を含むもの
- 関税法(財務省・税関)— 通関手続き全般
健康食品やサプリメントの場合、成分によっては医薬品成分に該当し、そもそも食品として輸入できないこともあります。区分の判断は早いほど損失が小さくて済みます。
商品を決めてから制度を調べるのではなく、制度に通るものの中から商品を選ぶ。輸入を続けるほど、この順番の差が効いてきます。
弊社では、小ロットのスポット仕入れから継続発注まで対応しています。「この商品は日本に入るのか」という段階からのご相談も承ります。
参考にした一次情報
※ 本記事は制度の概要をまとめたものです。個別の可否は所管の検疫所の判断によります。実際のご相談にあたっては、最新の一次情報をご確認ください。