輸入化粧品でつまずきやすいのが、広告と表示の言葉づかいです。原産国のサイトやパッケージで使われている訴求をそのまま日本語にすると、薬機法上の線を越えることがあります。化粧品でうたえる効能効果は、範囲が決められています。

化粧品の効能効果は56の範囲に限られる

化粧品が広告で表現できる効能効果は「化粧品の効能効果の範囲」として定められた56項目に限定されています。「肌をなめらかにする」「毛髪をしなやかにする」「肌を引きしめる」といった、おだやかに整えることを目的とした表現が並びます。

これは化粧品の定義そのものに由来します。化粧品は人の身体を清潔にし、美化するための製品で、身体への作用が緩和なものと位置づけられています。病気の治療や身体の構造・機能に影響を与える表現は、その定義から外れます。

越えやすい線

実務でよく問題になるのは、身体の仕組みそのものに働きかけると読める表現です。「ターンオーバーを促す」「代謝を高める」といった言い回しは、化粧品の範囲を超えます。

肌を「整える」のは化粧品。肌の働きを「変える」と言った時点で、化粧品ではなくなる。

海外のブランドサイトは、その国の規制に合わせて書かれています。日本より広い表現が許される国も、狭い国もあります。翻訳の正確さと、日本での適法性は別の問題です。

効能効果以外で言えること

56項目に含まれない訴求でも、次の二つは事実であれば表現できるとされています。

  • メーキャップ効果 — 実際に見た目がそうなること
  • 使用感 — 使ったときの感触

ここを起点に訴求を組み直せることは少なくありません。効能をうたえないから何も言えない、というわけではないのです。

点検の順番

  1. 原産国の訴求をすべて書き出す
  2. 56項目の範囲に収まるものと、収まらないものに分ける
  3. 収まらないものは、メーキャップ効果・使用感で言い換えられるか検討する
  4. 言い換えられないものは落とす
  5. ラベル、EC商品ページ、販促物のすべてに同じ基準を適用する

見落としがちなのが5番です。ラベルだけ整えても、卸先に渡した販促物や自社ECの説明文が残っていれば同じことになります。商品に関わる文章はすべて同じ基準で点検してください。

弊社では薬機法対応のラベル翻訳・成分チェックを承っています。訴求の言い換え案までご相談いただけます。

参考

※ 本記事は制度の概要をまとめたものです。個別の表現の可否は所管当局の判断によります。実際の広告制作にあたっては最新の一次情報をご確認ください。