「機能性表示食品として売りたい」というご相談をいただくことがあります。ただ、日本の保健機能食品には三つの制度があり、必要な手続きも難易度もまったく違います。どれを目指すのかで、準備すべきものが変わります。
三つの制度
保健機能食品は、栄養機能食品・特定保健用食品・機能性表示食品の三つに分かれます。
栄養機能食品 — 自己認証
ビタミン類・ミネラル類・脂肪酸といった特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、その栄養成分の機能を表示します。個別の許可申請は不要な自己認証制度です。三つのなかで最も入口が近い一方、書けることは決められた栄養成分の機能に限られます。
特定保健用食品(トクホ)— 許可制
からだの生理学的機能に影響を与える関与成分を含み、特定の保健の目的が期待できる旨を表示する食品です。販売するには食品ごとに有効性と安全性について国の審査を受け、許可を得なければなりません。三つのなかで最も重い制度です。
機能性表示食品 — 届出制
2015年に始まった制度で、最大の特徴は国の許可ではなく事業者責任で届け出る点にあります。トクホより早く動ける一方、根拠の妥当性は事業者が負います。
まとめると
- 栄養機能食品 … 許可・届出とも不要(自己認証)
- 特定保健用食品 … 許可制(国の審査)
- 機能性表示食品 … 事前届出制(事業者責任)
輸入品で考えるときの現実
輸入商材をいきなり機能性表示食品として届け出るのは、実務上ハードルが高い場合があります。届出には機能性と安全性の科学的根拠が要り、その資料を海外の製造元から日本の基準に合う形で揃える必要があるためです。
制度を選ぶのではなく、揃えられる資料から逆算して制度を決める。輸入品ではこの順序のほうが現実的です。
まずは一般食品として実績をつくり、資料が揃った段階で届出を検討する——という進め方も十分にあり得ます。制度に入れないことと、売れないことは別です。
なお、いずれの制度に乗せるにせよ、その前に食薬区分と食品表示の確認が先に来ます。順番を間違えると手戻りが大きくなります。
参考にした一次情報
※ 本記事は制度の概要をまとめたものです。制度は改正されます。実際のご検討にあたっては最新の一次情報をご確認ください。