第17回 国際物流総合展 2026(LTT2026)出展者シリーズ 第14回
箱に貼ってある紙を見て、数える。どの現場にもある作業です。読み間違いは棚卸のときにまとめて出てきて、どこで間違えたかは分かりません。
今回はそこを機械に置き換える出展です。ただ、置き換えたあとに残るものがあります。貼る位置です。
LTT2026 の RFID・バーコード・ラベル関連の出展 — 四つの置き換え
| 置き換えるもの | 人がやめること | 出展の軸 |
|---|---|---|
| ① まとめて読む | 一点ずつ読む | RFID・二次元コードの一括読み取り |
| ② 手に持つ・身に着ける | 端末を取りに戻る | ハンディ端末・ウェアラブル |
| ③ 耳と光で指示を受ける | 紙の指示書を見る | 音声ナビ・デジタル表示器 |
| ④ ラベルを出して貼る | 手書き・転記 | ラベルプリンター・貼付 |
① まとめて読む — 出展内容で最も多かったのは 「RFID」、次に 「棚卸」 でした。一点ずつスキャンするのをやめて、箱ごと・棚ごと一度に読む。ゲートを通すだけで読む形、独自の二次元コードで複数を一括で読む形の両方がありました。
② 手に持つ・身に着ける — ハンディ端末とウェアラブル端末。腕や指に着けて両手を空ける提案が目立ちます。堅牢性と防塵防水の等級を前面に出す出展が多く、現場で落とす前提で選ばれているのが分かります。
③ 耳と光で指示を受ける — 紙の指示書から目を離せない状態をやめる方向です。音声で指示して音声で返す形、棚の表示器が光って数量を出す形。「止まらない」という言い方が共通していました。
④ ラベルを出して貼る — ラベルプリンターと用紙、発行ソフト、そして貼る動作そのものを機械にやらせる提案まで。荷札、品番、ピッキング、仕分け、配送用と、用途ごとに分かれていました。
四つに共通するもの
四つとも、人が見て、人が数えて、人が書く工程を減らします。読むのは機械、指示は耳と光、書くのはプリンター。
減るのは手間と読み間違いです。減らないのは、商品そのものに何がどう書かれていなければならないか、という方です。
商品に書いてあるものには、法定の形式があります
化粧品の場合、薬機法第61条は「化粧品は、その直接の容器又は直接の被包に、次に掲げる事項が記載されていなければならない」と定め、製造販売業者の氏名又は名称及び住所、名称、「製造番号又は製造記号」などを挙げています。
ここが今回の出展と交わります。私たちが現場の管理のために貼るラベルと、法律が容器に求めている記載は、別のものです。ロット管理のために発行する番号は、法定の製造番号そのものではありません。
そして「どこに貼るか」まで条文に書いてあります
薬機法第53条(記載方法)です。法定の記載は「他の文字、記事、図画又は図案に比較して見やすい場所にされていなければならず」、かつ「読みやすく、理解しやすいような用語による正確な記載がなければならない」と定めています。
「他の文字、記事、図画又は図案」に管理用のラベルも入ります。大きなコードラベルを貼った結果、法定の記載がそれより見にくい場所に回ってしまえば、条文の求める状態ではなくなります。第53条は化粧品にも準用されます — 第62条が「化粧品については、第五十一条、第五十二条第二項及び第五十三条から第五十七条までの規定を準用する」と定めているためです。
違反したときに起きることが、罰則の前にあります
ここが実務で効きます。第55条第1項は、これらに違反する医薬品を「販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない」と定めています。第62条の準用により、化粧品も同じです。
売ってはいけない、だけではありません。売る目的で置いておくことも、並べることもできません。つまり表示が条文の形式を満たしていない在庫は、その場で動かせない荷物になります。倉庫に入れた後に気づくと、やり直しは一点ずつの作業に戻ります。
食品も同じ向きです。食品表示法第5条は「食品関連事業者等は、食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはならない」と定めています。そして第4条第1項第2号は、基準に定める事項として「表示の方法その他前号に掲げる事項を表示する際に食品関連事業者等が遵守すべき事項」を挙げています。方法まで基準の中にあります。
だから見るところが二つに分かれます
一つは読み取りと発行の性能です。何をどこまで一括で読めるか、どれだけ落としても壊れないか、ラベルがどこまで耐えるか。これは製品の比較です。
もう一つは貼ったあとの状態です。法定の記載が、管理用ラベルに比べて見やすい場所に残っているか。輸入した商品に後から貼る工程で、それが崩れないか。これは運用の設計です。
前者だけで決めると、読み間違いは消えたのに在庫が動かせないという形になり得ます。「速く正確に読めます」と聞いたあとに、もう一段確かめるところです。どの規定がどう適用されるかは品目と表示の持ち方によって変わり、個別の判断は所管当局によります。
問い合わせは弊社がまとめてお受けします
展示会に出ている企業は引き合いを待っています。ただ、一社ずつ当たると、条件の合わない先からも営業の連絡が続きます。数が多いほど重くなり、比較そのものができなくなります。
弊社は今回の出展内容を全件整理しており、会場では各社に名刺をお渡ししています。何に貼るのか、月にどれくらいの枚数か、どの環境で読ませるのかをお教えいただければ、条件の合う先に確認し、回答をまとめてお返しします。ご同意なく御社の連絡先を相手方にお渡しすることはありません。
弊社がお渡しするのは情報です。特定の一社の代理店や販売権者ではなく、同じ課題に対する複数の方式を並べてご紹介します。医薬品・化粧品・食品の輸入と流通を手がける立場から、読み取りの話と、容器に残らなければならない記載との兼ね合いも併せてお伝えします。
参照した一次情報
- e-Gov 法令検索 — 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(第53条・第55条・第61条・第62条)
- e-Gov 法令検索 — 食品表示法(第4条・第5条)
本記事の出展に関する記述は、主催者が公表した出展内容および各社公式サイトの公開情報から傾向を整理したものです。個別の製品名・企業名は挙げておらず、優劣の比較や評価は行っていません。公表内容は2026年8月時点のものです。法令の適用区分や必要な措置は取引の形態・品目・表示の持ち方によって異なり、個別の適用可否は所管当局の判断によります。
