第17回 国際物流総合展 2026(LTT2026)出展社シリーズ 第4回

現場の運搬を楽にしたい。そう考えたとき、道は二つに分かれます。機械を大きくするか、人が押すものを軽くするかです。

前者はフォークリフトの話になり、そこから先は資格の話になります。労働安全衛生法では、最大荷重1トン未満のフォークリフトの運転業務には特別教育が、1トン以上では運転技能講習の修了が求められます。人を割り当てる前に、受講を段取りする必要があります。

LTT2026の台車・キャスター・ハンドリフト・牽引車の出展を通して読むと、訴求がもう一方の道に集まっていました。資格の線を越えずに、現場の負担だけを下げるという方向です。

四つの下げ方

下げ方何を変えるか
① 後付けで電動アシストを足す今ある台車をそのまま使う
② 牽引に切り替える押す作業を引く作業にする
③ 車輪だけ替える操作力そのものを下げる
④ 段差・階段に専用機を充てる一番きつい区間だけ切り出す

① 後付けで電動アシストを足す

既存の台車に駆動ユニットを取り付け、押す力を補う方向です。訴求の中心は入れ替えが要らないことでした。台車ごと買い替えると検品も保管も動きますが、後付けなら現場の運用が変わりません。

確認が要るのは荷重と勾配です。平場で効いても、スロープや段差で挙動が変わります。「何kgを、どの勾配で、どれだけの距離」が揃って初めて適否が判断できます。

② 牽引に切り替える

台車を複数つないで一度に運ぶ方向です。押す作業が引く作業に変わり、往復回数が減ります。長い動線を持つ現場ほど効きます。

ここは制度の線が機種によって分かれる領域です。フォークリフトに該当しなければ技能講習の対象にはなりませんが、構内運搬車として扱われる場合には、労働安全衛生規則により作業計画を定めることが求められます。また敷地外の公道を走るなら運転免許の話が別に出てきます。「資格が要るか」ではなく「この機種はどの区分に入るか」が問いの形です。

③ 車輪だけ替える

台車も動線も変えず、キャスターだけを交換する方向です。転がり抵抗の小さい材質に替える、径を大きくする、旋回性を上げる——いずれも操作力そのものを下げます。

四つのなかで最も安く、最も早く試せる打ち手です。床の材質と段差の有無で選択が変わるため、現場を見ずには決まりません。逆に言えば、現場さえ見れば決まります。

④ 段差・階段に専用機を充てる

平場ではなく、一番きつい区間だけを切り出す方向です。階段昇降機、段差乗り越え機構、持ち上げずに載せられる構造などが出ていました。

全区間を機械化するより投資が小さく、しかも事故が起きやすい区間から手を付けられます。負担は動線全体に均等ではなく、特定の数メートルに集中している——その前提に立つ打ち手です。

輸入する側から見ると

四つに共通しているのは、資格の線を越えずに効かせるという設計思想です。人を入れ替えず、教育の段取りを待たずに、今日の現場から始められます。

ただし線の位置は機種で変わります。動力が付いた時点で、どの区分に入るのか、作業計画の対象になるのかは確認が要ります。「資格不要」と説明されていても、それが何に対して不要なのかを確かめてから導入する——ここだけは省けません。

そして輸入実務では、もう一つ効きます。荷姿が決まると必要な機材が決まります。パレット単位で入るのか、バラで入るのか、段ボールの重量はいくつか。運搬機材だけを先に選ぶと、実際の荷姿に合わないということが起こります。

問い合わせは、まとめて弊社がお引き受けします

展示会に出ている企業は、引き合いを待っています。ただ、こちらから一社ずつ当たると、条件が合わない先からも営業の連絡が続きます。数が多いほどその負担は大きく、比較検討どころではなくなります。

弊社は本展の出展内容を全件整理しており、会場では各社に名刺をお渡ししています。「何kgを、どんな床で、どれだけの距離、誰が運ぶのか」をお聞かせいただければ、条件に合う先へ弊社から確認し、回答をまとめてお返しします。お客様の連絡先を、ご了解なく先方にお渡しすることはありません。

医薬品・化粧品・食品の輸入と流通を手がけている立場から、荷姿との噛み合わせや、導入前に確認しておくべき点も併せてご案内します。

参考にした一次情報

本稿は主催者が公表した出展内容および各社公式サイトの公開情報に基づき、傾向を整理したものです。個別の製品名・企業名は挙げておらず、優劣の比較や評価も行っていません。公表内容は2026年8月時点のものです。資格・教育の要否および区分は機種の仕様によって異なり、個別の適用可否は所管当局の判断によります。